「温故知新」川上誌

神佛混淆(混合)

神社と寺院とが共同して弓射の賀儀取り(かーぎとり)が行われるのは神佛混合の表れですが、墓地にも神と佛が混在しています。

墓地のほぼ中央南向きに宮崎家の奥津城(墳墓)国命の標柱があります。その回りは、佛式の墓ばかりです。東側に大小25基以上の墓がありますが、九鬼家の墓です。墓地中央部、同一地域に神佛が鎮座しているということです。

この神佛混合思想こそ、日本社会の平和の礎ではないでしょうか。神と佛の調和を図り、融合させる思想が平和を維持する源といっていいでしょう。

 

イラクでスンニ派とシーア派が泥沼の戦いを続けています。同一民族で同じ宗教=イスラム教の中でこんなにも対立が烈しいとは我々には理解できません。さらにクルド人やアメリカの介入が加わり、平和的解決は困難な状勢です。

わが国の宗教思想がいかに平和で安定しているか、神佛に深く感謝したいです。

一時的に明治初期に廃佛棄しゃくの運動も起きましたが、これを乗り越えた日本人のバランス感覚はまことに素晴らしいものです。